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アラタコウ(工藤興市・くどうこういち)のブログ

国際結婚シリーズ、エッセイ、イベント関連、小説を載せています(^O^)

国際結婚をしてみたら――17歳年下、韓国人の嫁との生活。第412話※お店作りの話し 16

 俺達が理想としているスープが完成し、それを使ってのキムチ鍋や、カレーライスを作り試食を繰り返した。

 店舗を出す土地も、中野区や杉並区に決め、ネットを使って色々と調べている状況だ。

 昨日は、六駅を歩き回り、どこで店を出すのかの判断がしたくて土地や、歩く人を見ながら歩いたが、熱中症で倒れそうになった。嫁も俺も疲れ果てて寝てしまった。

 現時点の問題点は、やはり資金面だ。

 一千万の借金をして、今回のお店作りの為に動いているが、その借金がそれ以上になるかもしれない可能性がでてきたのだ……。

 居ぬき物件で店舗を探しているが、安くても五百万~無限大の物件が多い。

 スケルトンだと千万以上はかかる。下手したら二千万にもなるし、これも無限大。

 スケルトンとは店舗を借りてから、自分で改装工事をするということだ。調理機器を設置し、配管や、冷暖房などの工事をすると、かなりの値段になるみたいだ。

 それとは違って、居ぬき物件とは、元々営業していた店舗をそのまま借り受けるといった形だ。

 調理機器も揃っているし、内装やお客さんに提供する物なども揃っている。すぐ営業できるのが、居ぬき物件の特徴だ。

 資金面のことでは、嫁や義理の親とも散々話し合ったが、状況はかなりヘビーだ。

 消費税が八%から十%にあるかもしれない状況下の中、どうして今店を作るのかということで俺の親とも話し合いは繰り返した。

 俺は両親に場所を作りたいと言った。

「あなたをめっちゃ褒めますというイベントをしている中で、日本人には心の闇を放出できない人が沢山いるというのが分かったんです。その人たちが田舎に帰ってくるような場所を作りたいんです。場所さえあれば、いつかその人たちが帰ってくるでしょ?俺は幼児虐待が蔓延している今の日本人の家族を軽く見ている現状が嫌なんですよ。家族とは、一致団結して問題に向かう同志みたいなものだと思うんです。俺は、家族の殺し合いが悲しいから、俺の店で飯でも食いながら俺のエッセイを渡したり、話したりして少しでも家族を殺したいと思っている人にほっこりしてもらいたいんです。それが、俺が店を作る原点です」

 俺の言葉は、両親を納得させた。

 そして、俺と嫁の戦いが始まったのだが……。

 三月から仕事を辞めて、お互い収入はない。

 俺は性癖の取材で走り回るし、お店作りのことに関しては嫁に頼っているところも多い。

 彼女は「メングを必要としてくれる人がいれば、それに一生懸命になってね。それがお金にならなくてもいいじゃん」と言ってくれるが、取材費だけでもお金がかかる。交通費や、謝礼も必要だし。それに俺に会ってくれてのありがとう返しをする為に、会った人達には奢るのも当たり前になっている。

 金は大切だ。四五歳になると、それは切実に感じたりする。

 だが、金に変わる感動もある。

 それは、あるネット上で出会ったSさんとの付き合いからだった。

 Sさんは、俺がネット上で知り合った女性だ。

 Sさんは、嫁が川崎のシラクルというブランドの韓国コスメのお店で働いている時に、友達と来てくれた。Sさんは、東京在住ではないので、わざわざ東京観光のついでだとしても、嫁に会いに来てくれるなんて申し訳ないと思っていた。

 お互いの日記を見合うことしかしていなかった付き合いから、電話で話すようになったが、嫁も数少ない日本人の友達ができ嬉しそうだった……。

2014/05/31

 Sさんから嫁のスマホに電話がかかってきたそうだ。

 ちょうど、地元の店巡りをしていた俺が自宅に戻ると、嫁が笑顔で言った。

「やっぱ、Sさんの笑い声って癒しが入ってるよね」

 訳を聞けば、もの凄く聞き上手の性質を持っている女性だということだった。

 俺も嫁も語り屋だ。自分の意見をまず聞いて欲しいと思うタイプの人間だろう。

 その嫁がSさんと話していると、ほっこりするらしいのだ。

 店作りのことでは、ブログに書けない大変なことも多々ある。俺は、お涙ちょうだいでそんな大変さを記事にしたくないし、死ぬまで俺はアホだったという主張をしたい。

 つーか、自分が弱ってるなんて親友にも見せたくないしね。それが、アラタコウという人間をプロデュースする工藤興市だから。嫁にも演じ続けている元気な自分がいる。それが、昔はきつかったが、今は楽しんでいる自分もいるのだ。

「お店ができたら、Sさんに喜んでもらえればいいな。その為に味の追求をしていこうね」

 キッチンに立つ彼女の背中は嬉しいオーラに溢れていた。

 最近、ガラケーからスマホに変えたが、ラインでお店作りを応援するメッセージが沢山来た。

 俺は知らなかったが、相手が俺の電話番号を登録していたら、ラインではそれが出るみたいね。

 二十年前の古い友人からも、応援メッセージが来た。俺は二十年は携帯の番号を変えてないからね。

 最近思うけど、俺の周りの大切な人達がすごく応援してくれているなぁって感じたりしている。

 性癖シリーズを書き出して、更にそれが加速されているような気がしてならない。

 自分が突っ切りたいのに、状況に流されてしまってがんじがらめになっている人が多い。

 そんな人達が、俺と嫁の奇妙な関係を記事で読むことで、スカッとしてくれているのだと痛感した。

 メインブログには、支援者が増え始めているからだ。

「アラタさんに投資したいので、億単位じゃなかったら支援できますよ」

 名前は言えないが、在日のどえらい会長さんから2014年四月にメールをもらったこともある。だが、俺は丁寧に断った。

「人のふんどしで相撲を取るような真似はしたくないんです。店作りの借金を背負うことで、俺はもっと己に追い込みをかけることができるタイプなので。お気持ちだけで癒されました。本当にありがとうございました」 

 会長さんは、いつでも声をかけて下さいと返事をくれたが、声をかけるのは俺達の店が繁盛店になってからだと思った。

 おんぶにだっこで生きている自分はかっこ悪い。己の道を極めて生きるなら、腐っても鯛で生きたい。

 会長さんにいい店で奢ってやるような人間になった時に「つらかった時期に声をかけてくれたのが嬉しかったです」と言いながら頭を下げたい。

 この件では嫁も俺の考えに賛同してくれて「メングは男前だよ。人に頼らず己で道を切り開こうなんてすごいよ」と言ってくれた。

 一期一会という言葉があるが、これって本当にそうなんだと体感している毎日だ。

 こんなに世界中に人間がいる中で、会話をすることから始まって、友達になって、さらに親友になって――巡り合うのは奇跡だと思う。

 俺は、全世界の人に俺という人間のアピールなんてしたくない。

 ただ、俺を受け入れてくれた人には、一生懸命ありがとう返しをしたい。

 これって、エゴな考えだけど、俺も四五歳になって体も老いてきた実感があるし、いつ死んでもいいようなむちゃな生き方をしているから、触れ合った人にしかマックスでありがとう返しができない状況になってきた。

 よっしゃ!

 明日もガンガン加齢臭多めのおっさんが、夢に向き合って走っちゃるわ。

 こんな俺を見て、大切な人たちが少しでもほっこりしてくれたら、アホ道冥利に尽きるかな。

 一生を懸命に生きますね。


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